My Favorite Things【1】ドライフラワー
好きなものは多々あれど、そのひとつひとつについて真剣に考えたことは今までなかった気がします。
断捨離をしてからというもの、残った物への愛着が深くなりました。
10年単位で愛用している物もあるし、同じものを買い直して使っていたりもする。長年の相棒のようなアイテムたちを紹介してみたくなりました。
また、物だけではなく、環境や食事、考え方など、今の自分を構成しているものの源泉をたどりたいという気持ちもあります。
ゆるゆると買いていきますので、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。
枯れてもなお美しく
ドライフラワーの魅力はこれにつきますね。文字通り、『もうひと花咲かせる』みたいな。二度目の開花が永遠に残り、その印象を固定させる。何だか人の終わりと似ています。
40歳を越えてから花に興味を持ち、常に飾っておくようになりました。
枯れては新しい花を飾るの繰り返しで、行きつけの花屋がその時おすすめしてるものを買っていました。
花が一輪あるだけでも部屋の印象が変わります。特に好きだったのが大輪の百合。徐々に開いていく過程そのものがセクシーで女性的。買う頻度が最も多かったです。
時間を止める
一年くらい前にドライフラワーの存在を知りました。その時は何も感じず、そのまま忘れていましたが、去年引っ越しをした時にいただいたドライフラワーを室内に飾ってからというもの、一気に夢中になったのです。
水分の抜けた花や草木が、みずみずしく青々しい頃とは別の美しさをかもし出す。
そんなドライフラワーを眺めていると、時間が止まったような錯覚を覚えます。元々の半分以下に圧縮された花や、それぞれが別々の丸まりかたで複雑な印象を与える葉、枝のしなり具合など、細部をつぶさに観察したくなる。
自然が室内から伸びていく
いま住んでいる場所は小田原なのですが、窓の外には適度な自然が広がっています。
遠くには足柄の山々や富士山が見え、絶景とまでは言わずとも、一人暮らしを始めてから住んだ部屋の中では間違いなく一番の景色です。
写真には無いのですが、その窓のカーテンレールにもたくさんのドライフラワーを吊るしています。
ドライフラワー越しに遠くの山々を眺めていると、自然が室内に侵食してような、もしくは室内を起点にして外に自然が伸びていくような気分になります。ドライフラワーの存在感、青空、遠くの山々の力強い立体感。それらが視線の直線上に並んだ満足感は半端ないです。
そのおかげでしょうか、朝の清々しさも五割増しになりました。
どこまで増えていくのかは未知数ですが、増えるごとに違う楽しみを与えてくれそうで、日々のささやかな幸せとなっているのです。