ひとりを怖れない
ひとりは寂しいとか、怖いとか感じる人もいるようだけど、ひとりは100%本音の世界。無理なことを、本当は嫌なことを、演じなくてもいい、本当に快適な世界。
(矢作直樹『ひとりを怖れない』)
退屈、寂しい、ひとりぼっち。みんなで騒いでいる人が羨ましい、誘われないことが恨めしい。自分だけが、何でひとりなんだろう?
そう思う気持ちも理解できます。やりたいことのストックが少ないとヒマを持て余してしまうし、人から誘われないと自己評価を下げてしまいますからね。
それでもやはり、ひとりの時間は豊かです。退屈であれば退屈なりに自分を観察すればいい。寂しいのであればその理由を探るのもありだ。好奇心のままに、誰の制約も受けずに自分の時間を過ごすことは、自分を知ることにつながります。
自分はこんな世界に興味があったんだ!という発見は、ひとりの時に気づくことが多い。
新しい興味を一つ知ると、それをきっかけにして外の世界へ手を伸ばすことができる。これは混じり気無しの自分が見つけた貴重な感情です。大切にしましょう、どんな些細なことでも。
能動的にひとりになることで、新しい世界は開けていきます。怖がらずに、堂々と、ひとりを楽しんでいきましょう。
健やかに安らかに 小さな喜びを見つけ、一日一日を大事に積み重ねてゆく
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刺激を減らすこと
刺激を減らすと、違う幸せが見えてくる。
(沼畑直樹『最小限主義』)
様々なことを断捨離してから、自分が生まれ変わったように新鮮で、新しい幸せをたくさん見つけられるようになった。
その理由は、断捨離することでいろんな刺激が減って、今まで当たり前だと思っていた日常にフォーカスすることになったからだ。当たり前の中には、今まで知らなかった新しい喜びがたくさんあったのだ。
服を断捨離することで、身にまとう色彩が減った。そのせいで街にあふれる色や自然の中にある色、食材や植物の色に感動するようになった。
ヒマだからととりあえず予定を入れて、無理に新しい刺激を求めることをやめたおかげで、自分の感情や感覚と向かい合う時間が増えた。自分という存在がすでに刺激的であることを発見できた。
他にも自炊するようになったり、今までは好きでなかった『繰り返しやらなければならないルーチン』が気にならなくなったり、この歳でここまで変われるかというくらいの変貌ぶりだ。
シンプルだからこそ豊かである。
いろんなことに翻弄されている人や、いつもとっ散らかってしまって収集がつかない人は、一度捨ててみるといいですね。捨てる、辞める、減らす。その効果は絶大で、人生を一変させる可能性があるのです。
最小限主義。 「大きい」から「小さい」へ モノを捨て、はじまる“ミニマリズム"の暮らし
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認めてくれないから非難する
ちゃんと自立している人は、必要あれば他人の意見を参考にし、必要なければ聞き流す。
ところが自立してない人は、他人の意見を非難することが多い。
聞き流してもかまわない場合でも何かと批判したがるのは、自分の意見を相手に認めてほしいという弱さがあるから。
(DAIGO『300の言葉』)
必要があるのかないのか。その判断をする前に反射的に口をつく『それって間違ってないですか!』
本来、他人の意見は他人のもので、こちらがとやかく言うことではない。冷静に考えればわかることなのに、条件反射的に否定して自分の意見を開陳してしまう。
日常によくある光景です。仕事場でも家でも、友人と飲んだりしてても。
求められてもないのに自分の意見を勝手に伝え始めてしまうのは、やはり認められたいからでしょうか。普段から認めてもらえない鬱憤がたまっていて、そのチャンスを狙っている。意識的にではなく無意識なのでタチが悪い。
まずは気づくこと。気づきさえすれば解決に近づきます。無意識の世界から意識の世界にナビゲートするのです。
その際には『今日は相手の意見を否定しないぞ!』なんて風に否定形で誓うのではなく、『他人が意見を言ってきたら、まずは受け止めよう!』と能動的な行動にしたほうが効果が上がります。
こういうクセがある人は、『他人に認めてほしいという思いがある』ことをまずは認識し、『他人の意見を非難する前に、一回立ち止まってみる』ことを意識すると良いでしょう。
弱さは、それに気づけば強さに変わるのです。
器の大きさ
器の大きさとは、自分と調和しないものを受け入れる容量のことである。
(井上裕之『価値ある生き方』)
誰だって気の合う人だけと一緒にいたい。楽しい時間も増えるし同じことで喜べる可能性も高い。余計な説明も不要で、ストレスもたまらない。
しかしそれが夢物語であることは、誰の目にも明らかだ。職場、家族、各種コミュニティ。合わない人もたくさんいる。
嫌いな人と無理に付き合う必要はないが、人の多様性を認め、それなりに付き合っていくにはエネルギーがいるものだ。
自分に合う、合わないの垣根を取っ払って、フラットに付き合ってみると、新しい発見があったりする。この人とは合わないと思っていたけど、それは自分の勝手な思い込みであったりとか、すごく細い道だけど、これは同じ方向を向いてるな、とか。
もしかしたらコミュニケーションは、自分と調和しないものを自分の中に受け入れることからしか始まらないのかも知れない。
器を大きくして、たくさんのタイプの人と繋がること。それが確実に人生を豊かにしていく。
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愛と怖れ
許すという行為は、あらゆる苦悩と喪失感に終止符をうつ。
(ジェラルドGジャンポルスキー『愛と怖れ』)
許すことの難しさ。
日々の些細なことから、人生を狂わせる大きなことまで、生きていれば常に、許しを迫られることがある。
仕事上のミスや友人との軽い喧嘩ならまだいい。しかし家族のこととなると、それは一筋縄ではいかない。100の家族には100の悩みがあり、誰かが誰かを許さないと解決しないことが多々あるからだ。
僕もその一人だ。30年もの間、父親を恨み続けていた。
酒を飲んで暴力を振るう、女を作っては家に帰らず、金も入れない。困った時だけ帰ってきては偉そうにしている。外で子供を作っては離婚を繰り返し、その後の面倒も見ず、責任は一切とらなかった。
一歳で母親と離婚したので僕は祖母に育てられた。貧しい暮らしだったが、祖母の愛情に包まれて幸せだったと思う。父親さえいなければ。
それで30年。ずっと恨みを抱えて生きてきた。若い頃は反面教師にしていたが、やがて僕の人生も父親と同じような道を辿っていた。血の繋がりを呪った。
酒を飲んで、たくさんの女性に迷惑をかけた。喧嘩っ早かったが、直接的な暴力をパートナーに振るうことはなかった。ギリギリで立ち止まれた。そして一度も結婚せず子供も作らずに今がある。
事あるごとに自分の家庭環境を呪い、何万回も頭の中で父親を殺していた。
数年前に、『家族の人生は家族のもの、あなたの人生はあなたのもの。切り離して考えていい、抱えなくていいのです。』というような文章を読んでハッと目が覚めた。
いつまでも父親の人生を自分の内部に抱えている必要はないのだ!!
血が繋がっているという理由だけで、父親という存在に縛られることはないんだ!!
父親の人生は父親のものだから、俺が抱え込む
義務はないぞ!!
そう気づくことで、少しづつ気持ちを軽くしていきました。そして2年ほど前に、ようやく父親を許すことができたのです。
それからというもの、父親のことを考える回数は減りました。今までは苦手だった『両親がいてちゃんと育てられた人』に対しても、過剰な敵意からつい攻撃してしまうこともなくなりました。
それからです。結婚や子供にまつわる出来事が身の回りに増え始めてきたのは。
結婚したら子供を作らなければならない。その恐怖から、たとえ結婚話が持ち上がっても、自分で壊してきた人生が少しづつ好転していきました。
父親の呪縛に囚われ続け、間違った人生を歩んできた自分。その苦悩がなくなりました。そして両親からの愛情を得られなかった喪失感も消えていきました。
中年も後半に差し掛かった年齢のいま、遅すぎるくらい遅いのですが、ようやく自分から始まる家族を持ちたいと心から思えるようになったのです。
許すこと。それが自分を生き始める第一歩です。人それぞれ苦悩があると思いますが、少しづつでもいいので許していくこと。
なぜもっと早くできなかったのかと今は思うばかりです。
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静かに離れる
相手がありのままの自分を認めてくれるのなら感謝をもって対応する。相手が一方的に自分の価値感を押しつけてくるのなら静かに離れる。
矢作直樹『ひとりを恐れない』
職業柄多くの人と出会う。
その中には、最初は認めてくるのだが、次第に自分の価値感ばかりを押しつけてくる人が一定数いる気がする。
違和感を感じても、最初に認められているので、『あれっ?今日は機嫌が悪いのかな?』と思うことが多い。
付き合っていくうちに『ああ、こっちが本当なんだな』と気づいて距離を置くのだが、相手にしてみれば態度がコロッと変わったように思うので被害者意識が芽生え、やがては攻撃してくるまでになる。
そこで話し合いになるが、まあうまくいかないこと。一度被害者になってしまうと、それを取り除いてあげないと普通の話すらできないのだ。
『静かに離れる』ことは難しいが、合わない相手と無理に合わせながら付き合うことで精神を磨耗するのでそれは避けたい。
少しずつ距離を置いていき諦めてもらうこと。
まだまだ修行は続くのです。
自分を好きになることから始めてみよう
自分にだろうが他人にだろうが
愛されている人は幸せだ。
さらに自分だろうが他人だろうが
誰かを愛せる人は幸せだ。
愛されている、愛している。
この両輪がきちんと回っている日常は穏やかで、じんわりと暖かいものが流れているのを感じる。
受けとる、与える。にも通じることだが、結局はバランスが大切なのだ。
とはいえ、こんな愛情のバランスが整い続けることは難しい。相手あってのことだからあたりまえだ。
愛する、が苦手な人。愛される、に戸惑う人。
自分はどちらのタイプなのか、ふと考える。
そんな、愛する愛されるをトレーニングする方法は、自分を愛してみることだ。
自分に声をかけ、気にかける。調子が悪ければケアしてあげる。楽しいことがあれば共に喜び、悲しさに暮れていたならそっと肩を抱く。
仕事、遊び、夢や自己実現、心のこと、からだのこと…
好きになった人のことをもっと知りたいと思う気持ちで、自分に興味を持ってみる。積極的に語りかけてみる。
自分に接する態度が変化すると、他人への態度も変わってきます。
自分に優しく接することができると、人にも優しさを与えることができます。
自分をだんだん好きになっていくことで結果、多くの人を好きになれるようになるのです。
好意の延長上に愛情は存在します。
まずは自分に興味をもつことから始めていきましょう。