感謝の椅子取りゲーム

われわれは苦痛は感じるが、しかし苦痛のないことは感じない。心配は感じるが、心配のないことは感じない。恐怖は感じるが、身の安全は感じない。

(ショーペンハウアー

 

生存本能がそうさせるからしょうがないんだけど、人はどうしてこうもマイナスばかりに目を向けてしまうのか。


辛い、抜け出したい、早く楽になりたい…


様々なマイナスは日々、僕らの傍に常にあって、規模の大小を問わず、チクチクと攻撃してくる。


しかしそんな攻撃を受けて思い悩んでいる以外の時間は、基本的には平和なはずだ。


ちょっとした喜びとか、何も感じないけど安全であるとか。そういうものが僕らを生かしているのも確かだ。


ならばマイナスのことばかりを椅子に座らせて、当たり前の平和を立たせておくなんて損ではないか。


頭のメモリーは人によって違うが、人間が同時並行で意識していられることは7つほどだという。


ならばそのうちの半分はせめて、良いことや平和なことを座らせておきたい。いつでも意識に上るように。


今日も空は青くて美しい。


そんな思いが直接、目の前の問題を解決してくれるわけではない。


でもそんな思いがあるからこそ、息絶えずに、僕らは日々を過ごせるのだ。


感謝はさせられるのではなく、能動的にしていくもの。


当たり前のことにも感謝を。それが意識だ。


感謝から始まる1日で、椅子取りゲームは有利になるからね。

 

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