怒りのサンドバッグ
あのね、いまあなたはすごく彼のことを怒っているかもしれないけれど、それはもしかしたら別のことを怒っていて、すりかえているのかもしれないよ。脳ってそういうことするの。そして彼氏はだいたいサンドバックになるんだ。
(田口ランディ)
サンドバッグになったこともしたことも身に覚えがある人はたくさんいるでしょう。
怒りっていうのはその対象に直接ぶつけられないケースの方が多く、その分、近しい人が被害を受ける。
起こっている本人は正当化している自分に気づかない。後になって後悔する。怒りは常に、受け手が身をもって犠牲になることによって鎮火する。理不尽だと思う。
かつて多くの怒りを内包していた僕も、たくさん迷惑をかけた。大抵は付き合っているパートナーがサンドバッグになって、理不尽な怒りを受け止めてくれていた。
いま思うと、本当に申し訳ないことをしたと思う。スポーツでもお酒でもカラオケでも、何でもいいから、1人で鎮火させるべきだったのだ。
いまでは多少のコントロールもできるようになったが、怒りというのは本当に厄介だと思う。
怒りの感情を覚えることは間違ってない。どんな理由であれ、生まれた自分の感情を否定してはならない。
ただ、それを怒りとして外に出す、人にぶつけるから厄介なのだ。
覚えた感情を怒りのパフォーマンスで表現する、誰も望んでいないのに。
とにかく、怒りを覚えたら、それを無しにすることはできない。だから一歩立ち止まって、それを表現することを止めればいいのだ。
感情というのは理解されると小さくなる習性がある。だから自分が怒りを覚えたら、心の中で『いま自分は起こっているのだ!』と3回唱えるといい。自分が発した怒りを自分で肯定してあげること。それだけで一瞬トーンは低くなる。これで一歩立ち止まれる。のちに一度深呼吸をすると、さらに小さくなる。
怒りの表現は、自分の人生に直接被害を与えることが多い。だからこそもっときちんと向き合い、対策を練っていく必要があるのではないでしょうか。
過去にそのせいで大切な人がいなくなった経験が僕にもあります。後悔する前に、怒りの表現を抑えるレッスンをしていきましょう。