同じ物語を繰り返さないために
『こんな人とつきあっていても何も変わらない』と次々に友だちや恋人を変えても、あなたが変わっていなければ、登場人物が違うだけで、ふたたび同じ物語が繰り返される。
(松浦弥太郎『しあわせを生む小さな種』)
変わるこことってむずかしい。
長年の習慣、もともともっている気質、生きているうちに作り上げられていく性格…
それらをバシっと捨て去って、真っさらな自分に即日変わることなんてできやしない。
人を含めた環境の変化が、自分を変えるための近道だと言われる。新しい習慣へのスタートラインだと。僕もそう思う。
しかし松浦の言葉にあるように、自分が変わっていかなければ、せっかく環境を変えても物語の骨格は同じだ。
今までの不甲斐なさをどう変えていくのか、不幸な生い立ちからどう脱却するのか、不満足な現状をどう好転させるのか…
環境の変化に依存して、自ら変化することを蔑ろにしてはならないのだ。
確かに登場人物が変わると、物語は目新しく映る。期待値は上がり、何かいいことがあるんじゃないかと想像したりもする。それ自体はとても良いことだ。
しかし、自分はどう変わりたいのか、そのために何をするのか、という新しい視点がないと、物語はループする。変わってない自分ができることなんてたかが知れている。狭い範囲で、かつて体験したことと同じような道を、無意識は差し示すからだ。
変わりたいけど変われない。でも変わるしかない。
勇気をもって飛び出して初めて、新しい物語が展開されていくのだろう。
いつでもスタートは切れる。諦めずに一歩を踏み出そう。変化は敵ではなく、あなたの友人になり得るのだから。