積み減らすということ
『すべてを失ってはじめて、やりたいことをする自由を手に入れられる。』タイラー・ダーデン(ファイト・クラブ)
『自分に何も欠けてないと知ったとき、世界はあなたとひとつになる。』(老子)
断捨離をしてから、上の二つの言葉が身にしみてわかるようになった。
今では広告に踊らされることなく『自分に必要なモノを自分で選び』、不要なモノはどんどん処分できているからだ。
生まれてから一定の時期は、ひたすらに『積み重ねる』ことで生きていける。
モノも知識も体験も、次々と自分の内に引き入れて咀嚼し血肉化していくこと。それが人生の主流だ。
しかし40を過ぎて、ある程度の体験を重ね、必要なモノや思考を手に入れた後に思うのは、『欲望には限りがないこと』である。
エンドレス、ひたすら上昇、どんどん詰め込め。限りがないとはこういうことだ。
肉体に限界がある以上、欲望の増殖するサイクルこそに無理がある。
みなそれに気づいていながらも、欲望をコントロールできないでいる。
年齢を重ねて老いていくシルエットは、シンプルでかつスタイリッシュでいたい。
だからこそ今までの人生で『積み重ねて』きたことを今度は『積み減らして』いく必要がある。
『積み減らす』とはおかしな言葉だが、そんな人生の岐路をうまく言い現わしているなと思う。岡本太郎の言葉だ。
積んでは減らす。減らしてはまた積む。その繰り返し。
これこそが人生そのものだ。
欲望が増殖する時には、『ひたすら積む』ことにフォーカスがあたっている。
そして時々、『増えすぎたからちょっと減らそうかなぁ…』と思うくらい。
『積み減らす』はそうではない。『積む』と『減らす』が同じ割合で拮抗している。
ひとつ積んだらひとつ減らす。これをルールとしている。
だから余計に積み重なることがない。
断捨離はリセットである。
本当に必要な環境を整え、今までの自分が獲得した『ポテンシャル』を100%発揮するための儀式といってもいい。
そんな儀式をクリアしたいま、毎日が清々しい。
そして本当に自分が欲望していることは何か?もはっきりしてくる。
特に時間の使い方が変わった。『精神の不必要な寄り道』をしなくなった。
今の僕に必要なのは2点のみ。
ひとつは恋人との時間を大切にすること。
もうひとつは、悩み困っている人がいたら手を差し伸べること。
なんてシンプルなんだろう。
自分の人生に手をこまねいている方は、ぜひ断捨離してみてください。
自分の『端切れ』を一掃することで見えてくる景色は本当に素晴らしいですから。
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