自信を発見してもらう

先日パートナーと『自信をつけること』について話し合っていました。


自信をつけるには、『自分の実力を上げること』か、人から『自分の長所を指摘してもらうこと』しかありません。極端に言えばだけど。


ただ、これだけでは『それはわかるけど…。どちらかの機会がないとずっと自信が持てないってこと?』と問われ、うーん確かに…と言葉に詰まってしまった。


それからは、あーでもないこーでもないと核心から遠い部分をグルグル回る会話になり、出口が見えなかった。


そしてパフェなんかを食べながら、全く別の話になった時に『うわっ!』と気づいたことがあったのです。

 

 

僕はずっと自分の声が嫌いでした。


モゴモゴ何を言ってるかわからないし、声量が足りないから聞き取りにくい。そして鼻にかかった感じで真っ直ぐ声が伸びていかない。つまりいいとこなしだったのです。


数年前にやっていたアルバイト先で、店内放送を定期的にしなければならず、それも嫌でたまらなかった。しかし仕事なので断われない。我慢してやりました。


そうすると、僕が嫌み嫌っているこの声を、いい声だねーと褒めてくれるパートさんがいました。『落ち着いていて何かアダルトって感じよねw』と褒められてんだか茶会されてんだかわかりませんが、嫌な気分はしなかった。


その後も店内放送の回数が増えるにつれ、他のパートさんからも褒められるようになり、少しずつ『大嫌い』の濃度が薄まっていったのです。


そしてさらに数年経ち、コールセンターでPCのトラブルシューティングの仕事をしていた時のこと。


そこでは月に一度、上司と一緒に仕事の振り返りをします。


録音された、お客さんと僕の会話を聞きながら、注意点やミスを直す作業。録音された自分の声を聞く、しかも上司と一緒に。こんなストレスフルなことはないです。


ただ、この仕事場でもまた声を褒められます。今度は『佐藤君の声は安心感を与えるね、これはいいと思うよ。でも〜な話し方はNG、気をつけるように』


『安心感?何だそりゃ?嘘だろ?』の?三連発。しかしやはり悪い気はしません。むしろ嬉しいくらいでした。


それからも声を褒められることが時々あり、さらに『嫌い』は薄められ、しまいには、自分では嫌いだけど、人がそう言ってくれてるから『ま、いいか』と思えるまでになったのです。

 

 


そしてさらに年は過ぎ現在。僕は人前で話す仕事についています。あれだけ嫌ってた自分の声を使って。


朝イチなんかは舌もストレッチされてないから噛み噛みだったりするけど、それでも楽しく仕事ができている。


これって奇跡だよね。


自分の欠点が実は欠点ではなかった。単なる自分の思い込みである可能性が出てきたのです。


今でも自分の声はそんなに好きではありません。


しかし褒められたら素直に受け取る。


『本当にいい声なんだろうか?』という思いと、『いい声って言われたから、まいっか』という感情が同居しているのです。

 

 


『だからさ、自分の欠点が実は長所かもしれないってことがあるよね。そこを考えると、今までより人に褒められる頻度が上がる。そしたらもっと早く自信がつきそうじゃない?』


【確かにそうかも。で、人が褒めてくれたからって、そうなんだって思い込まなくてもいいのよね?】


『うん、大丈夫。だって俺も未だに好きになれないから、自分の声を。』


【なら良かった。褒められるとプレッシャーになっちゃうから。そうでなければいけないって。自分では違和感があるのにさ。】


『そうだよね。無理に好きになることほど意味のないことはないから。スピ系でさ、自分大好き!大好き!って吠えてる人とかいるじゃん。あれは無理矢理っぽいからね。自然体が一番いいもの。』


【うんわかった。これからは人がくれたお褒めの言葉を、まずは有り難く受け取るようにする。そしたら『いつか』自信がつくかもね。】


『それだね。本来なら3年かかるところが1年で済むかも。いや、半年かもよw』


【まさかー、それはないでしょ。10年以上も自信ないのにさ、いきなり変わるわけ…あ、あり得るか。】


『でしょ?現に俺がそうじゃない。いつも間近で見てるでしょ。できないできない言ってても、君が褒めてくれる回数と比例して、少しずつできるようになったじゃん。家事とかさ。そして臨界点を越えたら一気に変われることも知ってるよね。今までのあの自信のなさが嘘のようにさ。』


【そうだった!!じゃあやっぱり私も期待してみる。自分に。誰かが指摘してくれるだろう自分の何かに。自信がないことすら実は思い込みの可能性もあるもんね。うん、納得だー。】

 

 


自分で自信をつける。人から自信を与えてもらう。自信には両面あります。


個人的には、自信は人との関わり合いの中から発見されるもののような気がしています。


自信がなくて困っている方々、どうぞ焦らないで下さいね。そんな自分を否定するためにエネルギーを使うのではなく、むしろ受け取る準備に使いましょうね。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^_^)