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結婚は野蛮

私は夫といるとき、重いものは絶対に持ちたくない。重いものは持ってほしいし、夜道は一緒に歩いてほしい。虫は退治してほしい。ときどき贅沢なチョコレートを買ってきてほしいし、怖い夢をみたら安心させてほしい。

正しくなくても全然いいからそうしてほしいのだ。結婚は野蛮。

(江國香織『いくつもの週末』)

 

結婚は野蛮。なんてロマンティックな響きだろう。


結婚したらきちんと務めを果たせとか、奥さんらしく、旦那らしくとか、子供ができたらなおさら尊敬させるような振る舞いを…なんて、結婚にはどこか、役割をきちんとこなし、大人として正しく在ることを求められることが多い。


そんな常識を燃やしてしまうような『結婚は野蛮』というフレーズ。さすが江國香織だ。


正しさばかり求めていたら、関係性は窮屈になってしまう。


つつがなく役割をこなしているだけでは、愛情は小さな蕾しかつけず、開花も遅い。


結婚にも様々な形があるが、愛することから始まったそれなら、とことん我がままでもいいじゃないか。


あとは二人の問題なのだから。


結婚生活に正しさなんか求めてないわ。だって野蛮なもんでしょ?愛なんて。


そんなセリフを妄想しながら、独身の僕は、いつ訪れるのか見当もつかない結婚生活について妄想しているのだ。

 

いくつもの週末 (集英社文庫)

いくつもの週末 (集英社文庫)