苦楽のカレンダー

苦しいことも 、楽しいことも 、悔しいことも 、嬉しいことも 、すべて人生を彩るパ ーツの1つなのです 。それらは四季の変化のように繰り返しやってくる 。そして厳しい季節は 、知恵なくしては乗り越えられない 。だからこそ人は賢くなるし 、再びやってくる春の日和が恋しくなるのでしょうね 。(B.I.G JOE『監獄ラッパー』)

 

四季がめぐるように苦楽もめぐる。であるならば、それぞれの季節にどこか楽しみがあるように、自分に降りかかる苦にもまた、歓迎すべき部分があるのかもしれない。


人間は慣れる生き物だから、どんなに楽しいことにも慣れてしまう。慣れると感動が薄れ、もっと大きな喜びを欲する。


欲望はどこまでも肥大するのみなのだ。


であるならば、仮説を立ててみる。


欲望が強い人ほど、苦楽の回数が多く、その落差が激しいのではないか、と。


その人を四季のサイクルに(人生のサイクル?)ちゃんと乗せるために、どこかの誰かが(神?)その割合をコントロールしている可能性はないだろうか。


まあいずれにせよ、この身に降りかかるよしなしごと全てが、自分を彩るパーツである。と思えるにはまだ時間がかかりそうだ。


ただ、苦楽を四季に例えるのはすごく面白い。


春分の日とか秋分の日、海の日夏至冬至


カレンダーを想起しながら、いまある苦労が去って、新しい季節の到来に想いを馳せること。


季節のサイクルをたくさん回せるようになれば、2倍、3倍と人生が華やかになるのかなぁと思いつつ。


季節の秋はいいなあ。涼しくて少し寂しげで。でも人生の季節は春のイメージが嬉しいかもしれない。暖かくて、待ち遠しくて。


いま読んでいる江國香織『はだかんぼうたち』の登場人物はみんな自由で少し物悲しい。心を裸にすると最後に残るのは淋しさなのかな。


やっぱり秋っぽい。秋の雨は、冬の気配に包まれていて、どこか人恋しくなりますね。

 

 

監獄ラッパー B.I.G. JOE 獄中から作品を発表し続けた、日本人ラッパー6年間の記録

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はだかんぼうたち (角川文庫)

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